物価・価格の変動
▼タイの物価
タイの物価は日本と比較すると、低い水準です。とりわけ市場へいって屋台で売られている物で比較するとわかりやすいかもしれませんが、日本では300円ではたこやきも買えませんが、タイなら5食分キッチリ食べても少しおつりが残るくらい、それくらいの物価の安さです。具体的にどれくらい安いのか、少し品目を上げて見ましょう。
バス:30円
電車:45円
ビール:80円
スタバのコーヒー:240円
映画:310円
新卒の給料:3.1万円
このように見ていくと、日本の相場の3~5倍程度は物価が安いということになりそうです。平均年収も日本の3分の1程度なので、そのあたりが妥当なのではないでしょうか。
電化製品など一部のカテゴリーで日本と同じくらいかもしくは日本より高いものが存在しています。
▼物価の変化
タイの物価が安いとは言いつつも、世帯収入が増えその生活水準もライフスタイルも先進国化しつつある今日、タイの物価がいつまでも安いというわけではありません。実はタイの物価変動を示す、消費者物価指数は右肩上がりに上昇中なのです。1980年には31.19、1985年には39.62、1990年には47.93、1995年には、60.59、2000年には74.51、2005年には83.39、2010年には96.33と、年々上昇しています。しかしながら消費者物価指数の対前年上昇率を示すインフレ率の年平均推移をみてみると、1980年には20%近くあったものの、経済成長のスピードに合わせる形でしだいに落ち着いていき、1982年から2012年までの30年間、0%~7%のレンジ内で推移しています。
▼物価の変化を示す事例
食料品や交通機関の料金など、タイ国内でタイの人々を対象にして行う商品の価格は、彼らの収入とともに変化しているので、物価の変化を示すわかりやすい事例があるわけではありません。しかしながら観光客や海外渡航者向けの商品については、物価の違いが如実に表れてきます。たとえば輸入品です。日本人向けに輸入された食品などは日本で買う場合よりも高いです。あとはブランド品も同様に、タイの物価とは異次元の価格設定となっています。輸出が盛んにおこなわれている電気機器やそのほか製品も、日本とそれほど変わらない価格なので、こちらもタイの物価とはつり合いません。こういった製品はタイが経済成長を遂げたからこそ国内で販売されているわけですが、それが物価との齟齬を象徴する商品になっているのは面白いですね。