タイ人の平均寿命
タイ人の平均寿命は2000年以降右肩上がりで伸び、2013年には74.37歳となりました。2014年のタイの中央年齢は36.2歳ですから、日本の45.9歳と比較すればまだまだ若い国と言えます。しかし生産年齢人口の増加により、豊富な労働力を原動力として経済成長する、タイの「人口ボーナス期」は既に終わりを告げました。今後は2040年をピークに人口の減少が始まり、2100年には現在の6,700万人から4,000万人程度まで減少すると予測されています。 東南アジアでは、シンガポールに次ぐ高齢社会となっているタイですが、女性の社会進出や教育レベルの上昇に伴い急速に少子化が進んでいます。もとより男性より女性の進学率の方が高いため、高学歴な女性がなかなか結婚・出産しないという、先進諸国同様の問題を抱えています。またタイ独特のものとして、2%ほど女性人口が少ないこと、30万人とも言われる男性僧侶がいること、男性に兵役があること、トランスジェンダーが多いこともあげられます。このように結婚適齢期の女性にとって厳しい条件が揃っているため、タイの少子高齢化は今後日本以上の速度で進むと考えられています。
タイ人の死亡原因
病気による死亡原因は、癌、心疾患、脳血管疾病の順番で多くなっており、先進国と同様に生活習慣病を原因とするものが上位を占めます。女性の死亡原因は子宮がんが一番多くなっていますが、タイ人女性の子宮がんは増加傾向にあるため、今後大きな問題になることが危惧されています。また肝臓がん、胆管がんがタイの東北地方に集中しているため、川魚の生食による寄生虫の感染など、食習慣に起因するものが原因として考えられています。しかし貧富の差の激しいタイでは、貧困層が癌にかかっても治療らしい治療が行われる事は稀です。現実的には、家族に見守られながらそのまま自宅で逝く事がとても多くなっています。 病気以外の死因として多いのが交通事故によるものです。2015年に発表された世界保健機構のデータによると、人口十万人あたりの死亡者数は、世界ワースト二位の36.2人となっています。これは日本の4.7人と比較すると桁違いの数字で、ヘルメット無しのバイク運転や、ドライバーの交通マナーが悪く、飲酒運転が多いことが大きな原因となっています。
タイ人の出生率
女性が出産可能な年齢を15歳から49歳までとした時、1人の女性が一生の間に産む子供の数の平均を求める「合計特殊出生率」は、1980年に3.8ありました。しかし右肩下がりで1992年に2.0を切ると、2013年には1.4まで減少を続けています。日本の合計特殊出生率は、最低となった2005年の1.26から増加に転じており、2015年では1.43まで回復し、既にタイを上回っています。今後はタイも、医療水準が上がり平均寿命が伸びることが予測されるため、タイの平均年齢は徐々に上昇していくと考えられます。