タイ語⇔日本語の翻訳例
最近日本では、トムヤムクンやガパオライスといったタイ料理が人気になり、タイ風の調味料やスナック菓子を販売する企業も多くなっています。しかし中には、本場タイで作った商品をそのまま日本で販売するといったケースもあります。その場合、商品ラベルに記載されたタイ語の商品説明文は、日本語に翻訳して商品に明示しなければなりません。
また日本の文化の一つである漫画は、海外でも非常に人気があります。特にタイ人の漫画への関心は高く、これまでも様々な日本の作品が読まれてきました。直近では日本の漫画販売チェーンにより、バンコクに直営店舗が開店されるほどの人気ぶりです。とはいえ、日本語の漫画をそのまま読むマニアックなファンは、それほど多いわけではありません。やはりタイの街中で一般的に販売されている日本の漫画は、日本語からタイ語に翻訳してあるものが殆どです。このように現在も様々なシーンで、日本語とタイ語の翻訳が行われています。
様々な言語への翻訳対応が必要です
もちろんタイ語翻訳は日本語との間ばかりではありません。タイの商品をアメリカや中国で販売するためには、タイ語と英語や中国語間での翻訳も必要になります。また商品の販売以前に、海外企業と取引を始める段階で、意思の疎通や取引の内容などについて様々な翻訳が必要となります。
世界中の国が外国の文化を取り入れ、自国の文化を発信している現代、その流れに乗って自国の産業や文化を発展させていこうとするのであれば、様々な国の言語に対し、翻訳を行い共通理解を高める必要があるということです。
一人で全てのジャンルの日タイ翻訳は不可能
このようにタイ語からの翻訳ニーズは多方面に存在するものの、言語にはそれぞれ特徴があります。このためひと口にタイ語翻訳といっても、対応する言語の得手不得手により、翻訳者はそれぞれ泰日・泰英といった専門の対応言語を持っています。また泰日翻訳の中でも、産業翻訳・出版翻訳・映像翻訳と翻訳ジャンルは大きく3種類に分かれます。分野によって翻訳の仕方も変わるため、それぞれに専門とする翻訳者がいます。
ちなみにこれらの中では、「産業翻訳」のニーズが最も多くなっています。また産業翻訳の中でも、IT系・法律系と言った形で、ビジネス分野ごとに異なる専門性が要求されます。このため産業翻訳を担当する翻訳者には、言語能力のみならず、対象ビジネスに対する総合的な理解や、専門用語に対する深い知識が必要となります。
凄まじい勢いでコンピューターの高速化が進み、それとともに言語解析技術も発達してきたわけですが、残念ながら今日でも、翻訳の分野においては機械は人間に敵いません。やはりまだ当分の間、翻訳に携わる人材は数多く必要であると考えられます。