タイ語翻訳の精度を高めるために

難解な言語 タイ語

タイ語はその特徴的な文字からもわかるように、タイ語学習の経験がない者にとって、取っつきにくく非常に難しい言語です。タイ語は、母音・子音・声調記号で成り立っていますが、子音は3種類に分類されており、どの種類に分類されているかによって声調が異なります。更にそれらに声調記号を付加することで、イントネーションが本来のものから変化するという難解な部分もあります。

 

・タイ語は「分かち書き」を行わない言語です

タイ語の理解をさらに難しくしているのが、「分かち書き」を行わないという部分です。英語など一般的な言語では、単語単位がスペースで区切られており、少なくともどこからどこまでが一つの単語なのか?といった最低限の区別は可能です。分かち書きを日本語で例えると「今日は天気が良い」という文章の場合「今日・は・天気・が・良い」という様に分けられます。このように分かち書きを行なう言語では、少なくとも順番に意味を調べていけば、なんとか繋ぎあわせて文章の意味を探ることが可能です。しかしタイ語は、文章が一続きになっており、外国人にとって理解するのがかなり困難な言語の一つとなっています。

 

・タイ語翻訳につきものの「表記ブレ」

タイ語は非常に難しいポイントを数多く持つ言語ですが、なかでも翻訳を行う際に必ず発生する問題が表記のブレです。これは外来語や固有名詞などに多く発生する現象で、タイ語が音を表す表音文字であることが大きな理由です。例えば日本語の場合、表意文字である漢字と表音文字であるひらがな・カタカナが混在しています。タイ語の場合、全てひらがなで綴る言語と考えればわかりやすいかもしれません。

例えば、Voiceという単語を日本語で綴る場合、ボイスともヴォイスとも綴れます。これを42の子音、9の母音、更には声調記号によって音が変化するタイ語で行った場合、日本語の比ではないブレ発生余地があるということなのです。更に表記ブレの問題は、言語によって発音しやすい音が異なるという問題も内包します。例えば先に上げたVoiceの場合、日本人的にはボイスの方が発生しやすく、なるべく近い音を当てようとした時などにヴォイスと表記すると思います。

例えば「大阪」をタイ語に翻訳した場合、日本人が聞いて日本語的な表記はโอซากะなのですが、一般的には日本人に「オ・オ・サ・カー」と聞こえるโอซาก้าが使用されます。このように翻訳者の解釈などによって、どうしても表記方法が異なってきてしまうのがタイ語なのです。

 

・タイ語翻訳の精度を高めるために使用する翻訳メモリ

このようにタイ語翻訳は、言語の特色としてどうしても翻訳する人によってブレが生じますが、仕事として翻訳を行う以上、一貫性のある表記を行う必要があります。例えば電化製品の取り扱い説明書や何らかの作業マニュアルなどで、文中で箇所ごとに表記が異なる、商品写真に写り込んだタイ文字とマニュアル中の表記が異なる・・・といった状況は許されるものではありません。また規模の大きい翻訳案件で、複数の翻訳者が分業を行い、短期間で納品する場合などにもこの問題は発生しやすくなります。

このような問題を解決するために「翻訳メモリツール」と呼ばれるものを使用します。これは、原文と翻訳文をベータベース化し、類似の内容が出現した時に引用するといった仕組みで、表現の統一を行うことで文書内での整合性と文書全体の品質を高めるものです。